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愛のひだりがわ / 筒井康隆

★★★★☆4

愛のひだりがわ・筒井康隆
(Canon EOSKissDigital + SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO)
文庫新刊に並んでたので購入。
近未来の治安が悪くなってる日本が舞台。
犬と話せる少女・が、父親を探して東京へ旅をするロード・ファンタジー・ノベル。
彼女は怪我の後遺症で左腕が不自由であり、彼女が歩くその左側には、彼女を助けてくれる人や犬が連れ添います。

なんというか、筒井康隆作品としてはとてもわかりやすい話。
これが「ジュブナイル」と銘打ってある所以でしょうか。
でも最近の「ライトノベル」とは全く肌触りが違いますね。

ジュブナイル(少年少女向け小説)であることを承知して読む、という条件付きでですが、なかなか面白かったです。

愛のひだりがわ
新潮社
筒井 康隆(著)
発売日:2006-07
おすすめ度:3.5
時かけ映画にあわせて発刊したんでしょう。
「永遠の名作「時をかける少女」をついに超えた最高傑作!」という仰々しいキャッチコピーの書かれた帯がついています。
でも筒井ファンなら首肯していただけると思うのですが、「時かけ」は筒井色の薄い非常にオーソドックスなジュブナイルSFであり、最高傑作だと言う人は少ないでしょうに。
一般的に認知度の一番高い筒井作品だろうとは思いますが。
まぁ、最高傑作かどうかは置いておくとしても、直接比較のできないほど作品カラーが違うと思います。
個人的には、「旅のラゴス」だなぁ、と思いました。
同じロード・ノベルだからというだけではなく。
あるいは「幻想の未来」か。
叙情的で、どこか突き放していて、ときおり身も蓋もなくて。

それはさておき本作です。
舞台設定やストーリー展開は過ぎるほどに単純明快。
しかし、治安の悪さという状況の薄寒さとか怖さのようなものはなんとなく感じられて、そこはさすがです。
知性的な人物やインテリゲンチャの置かれている状況がどんどん良い方向に転び、逆に教養の無い人はどんどん悪い方に転ぶあたり、少々単純すぎるきらいがあるように思いますけど、それぐらい割り切った展開も積み重なってくると結構痛快で面白い気がしてきます。
最後はちょっと切ないですね。
最後の一行で突き放されて、足元に地面が無い感じ。
ちょっとショッキングでした。

ジュブナイルと云いつつ小説離れの進むこのご時世、どれだけの小中学生が読むのかわかりませんが、読んだ子供はいろいろ納得いかないでしょうね、この話。
でも子供の頃に観たり読んだりするものには、そういう棘が大切なように思う今日この頃。

旅のラゴス
新潮社
筒井 康隆(著)
発売日:1994-03
おすすめ度:5.0
幻想の未来
角川書店
筒井 康隆(著)
発売日:2000
おすすめ度:3.0

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