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借りぐらしのアリエッティ(2010年・日本)

★★★★★5

メアリー・ノートンの「床下の小人たち」を原作とする、スタジオジブリ・米林宏昌初監督作品。

心臓病の療養のために郊外の屋敷に越してきた12歳の少年・翔は、庭で小さな少女の姿を見かける。
その屋敷の床下には、人間の生活品を借りながら暮らす小人の一家が住んでいたのだ。

これは大当たりです。
高畑・宮崎監督以外のジブリって、まぁ「海がきこえる」と「耳をすませば」は佳作だけど、「猫の恩返し」や「ゲド戦記」は全然だめだったので、正直期待はしておりませなんだ。
高畑監督作品もあまり肌に合わないんだけども。
でもこれは面白かった。

借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック
セシル・コルベル
徳間ジャパンコミュニケーションズ (2010-07-14)
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おすすめ度の平均: 4.5
5 借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック  レビュー
5 観てから。
5 素晴らしい!!の一言
5 壮大感
4 セシル・コルベルさんの素晴らしい音楽


床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)
メアリー ノートン
岩波書店
売り上げランキング: 83
おすすめ度の平均: 4.5
5 人間は太陽や自然からの恵みを借り暮らししているのだとおもいます。
4 お家にいたらどうしましょう
4 映画とは良い意味で別モノとして読んで欲しい作品
4 アニメが楽しみ
5 スリリングなファンタジー
話としてはオーソドックスなファンタジー。
そしてアリエッティはたいへんかわいい。人間に見られてないと主張したり(バッチリ見られてるわけだが)、赤い服で初の「借り」に出かけたり、マチ針を拾ってきたり、かわいいです。
とーちゃんはすごいかっこいい。かーちゃんは苦労ばっかり。
翔くんが、よくできた優等生かと思いきや、小人に八つ当たりでひどいこと言ってみたり、乱暴にキッチン改装したり、なかなか味のある奴だった。
かっこいいジムシィみたいな奴も、最初はなんか嫌な顔だと思ったけど、ラストで木の実を出すシーンで好きになった。
虫の脚が不評だったんで、きっといろいろ考えたんだろうな、と思って。
お手伝いさんの樹木希林がいかにも育ちも頭も悪そうで、描写が丁寧だなと思った。

そう、とにかく描写が丁寧なのだ。それに尽きる。
小人が「小さい」のだ、ということに最初から最後までとても気を遣っているのが素晴らしい。
わかりやすいところで水の粘りの描写とか、ツタを登るシーンとか、借りに出かける様々な仕掛けとか。
そういった気配りが終始画面のあちこちに見られて楽しい。
こういう細かく気の配られた画面は、観ていてとても心地よい。

でもなぁ、樹木希林はあそこまで憎まれ役というか、観てて腹が立つキャラにする必要なかったんじゃないかなぁ。
あのキャラはハッキリと不快だ。
あれぐらいの人が居ないとアリエッティ一家が引っ越す動機が弱くなるという判断なのかとも思うが、別に本当に嫌なキャラじゃなくても小人に危険な人間でありさえすれば良いんじゃないかなぁ。
そこが唯一の私的マイナスポイント。

そういえば、宮崎駿氏が丹羽圭子氏と連名で脚本としてクレジットされているが、「宮崎監督はいつも脚本なしで絵コンテ」なのでどうしてるのかと思ってました。
すると、「BRUTUS vol.690」によれば宮崎監督が口頭で丹羽氏とディスカッションしたものを丹羽氏がまとめたようですね。
それ以上かかわると、口出さずにはおれなくなるんだろうなぁ。

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