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誰も知らない(2004年・日本)

★★★★★5

主演の柳楽優弥くんがカンヌ映画祭の最優秀男優賞を受賞したことで話題となった、是枝裕和監督作品。
1988年に東京の巣鴨で実際に起こった幼児置き去り事件をモチーフとしているが、作品冒頭でも述べられているとおり、歴然としたフィクション

いまさらながら観たわけですが、これはとても面白かった。

誰も知らない
バンダイビジュアル
柳楽優弥(アーティスト)是枝裕和(その他)北浦愛(出演・声の出演)木村飛影(出演・声の出演)清水萌々子(出演・声の出演)韓英恵(出演・声の出演)YOU(出演・声の出演)
発売日:2005-03-11
おすすめ度:4.5
母親に置き去りにされた子供たちが、アパートの一室でたまに郵送されてくる仕送りをたよりに生活するさまを淡々と描いているのだけど、無言のシーンや長回しのシーンが多くて、イタリアあたりの映画っぽい雰囲気があります。
子供たちをじーっと観ていると、なんだかやるせない気持ちになってきます。
かわいそうとか、腹立たしいとか、そういうものではなく、ただひたすらやるせない。
実際に一年かけてロケを行っているので、子供たちが成長してるのが、もうたまらないですね。

主演の柳楽優弥くんは、スクリーン映えするというんでしょうか、目と、顎から首へのラインがすごく良い。
北浦愛演じる長女も良い。

そして、何よりこの映画、映像が良いです。
だんだん散らかっていく部屋、ベランダで育つ雑草、傷んでいく服、そういったアイテムと日差しや街の風景で時間の経過が如実に見て取れるのが素晴らしい。
こういう細やかな心配りが行き届いている映像は観ていて気持ち良いです。
背景の力です。
こういうことを「よつばと!」ではやりたいのですが、なかなか力量が追いついていません。
悔しいなぁ。

それはさておき、感情移入して観ている自分、俯瞰して観ている自分、どちらの自分にとっても、とても面白く観ることができた映画でした。
拍手。

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